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歯周病と関係性の深いものと言えば、糖尿病や心疾患などの全身疾患が挙げられます。
また、出産にも悪影響を及ぼすとされています。
さらに、一見無関係に見えますが、歯周病は筋肉とも深い関係性を持っています。
今回は、具体的に筋肉とどのような関係があるのかについて解説します。
近年の動物実験において、人工的に歯周病を誘発させたマウスでは、足のふくらはぎにある腓腹筋に萎縮が見られることが朝日大学などの研究報告で分かりました。
腓腹筋は、歩行や走行、直立時のバランス維持に欠かせない、下肢を代表する極めて重要な筋肉です。
口腔内の歯周病組織から放出される炎症性物質が、血流に乗って遠く離れた足の筋肉にまで到達し、悪影響を及ぼしていると考えられています。
この発見は、口の病気である歯周病が移動能力の低下を伴うロコモティブシンドロームに直接関与していることを示しています。
生涯にわたって自分の足で元気に歩き続けるためには、ウォーキングなどの下半身の運動だけでなく、その筋肉を脅かす原因となる歯周病の予防が欠かせません。
人間が重いものを持ち上げたり、瞬発的なパワーを発揮したりするとき、無意識のうちに奥歯を強く噛み締めています。
この噛み締めによって頭部や体幹が固定され、全身の筋肉に強い神経指令が伝わることで最大筋力が発揮されます。
しかし、歯周病によって歯茎が腫れたり歯がグラついたりしていると、痛みや不安定さから無意識に噛み締める力をセーブしてしまいます。
その結果、本来持っている筋肉のパワーを100%引き出すことができなくなります。
1分1秒やミリ単位の差を争うアスリートなどにとって、この踏ん張りが利かない状態は致命的なパフォーマンス低下を招きます。
スポーツにおいて強靭な筋肉のポテンシャルを最大限に活かすためには、健康で揺るぎない歯と歯茎が不可欠な基盤になります。
歯周病による痛みを避けようとしたり、歯を失ったりすると、左右の噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。
片側だけで噛む癖がつくと、咀嚼筋のバランスが不均等になり、それが頭部を支える首の筋肉の緊張を招きます。
頭部の傾きは全身のバランスに波及し、背骨を支える背筋や体幹の筋肉の歪みへとつながります。
結果として重心が不安定になり、姿勢が悪くなったり、運動時のバランス感覚が鈍くなったりします。
筋肉は全身で連動しているため、口の中の小さな不調が原因で、肩こりや腰痛といった慢性的な筋肉のトラブルが引き起こされるケースも少なくありません。
体幹の安定性を保ち、スムーズに体を動かすためにも、歯周病を治療して正しい噛み合わせを維持することが必要です。
歯周病を口内だけの疾患と思っていたら大間違いです。
前述したように、歯周病の悪化は筋肉に悪影響を及ぼし、さまざまな日常生活における動作が制限されてしまう可能性があります。
また場合によっては、命を脅かす全身疾患を発症することも考えられるため、虫歯と同等かそれ以上に強い予防意識を持っておかなければいけません。