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歯周病の怖い点と言えば、やはり全身疾患につながるリスクが高いというところです。
またここでいう全身疾患には、完治が難しい病として有名ながんも含まれています。
今回は、歯周病と関係のあるがんの中でも、特におそろしい種類について解説したいと思います。
膵臓がんは最悪のサイレントキラーであり、早期発見が極めて難しく、5年生存率が非常に低いことで知られる恐ろしいがんです。
ハーバード大学などの研究によると、重度の歯周病を患っている方は、そうでない方に比べて膵臓がんの発症リスクが大幅に高まることが示されています。
主な原因は、歯周病の代表的な原因菌であるP.g.菌(ジンジバリス菌)です。
歯茎の炎症や出血部分からこの細菌が血管内に侵入し、血流に乗って遠く離れた膵臓へとたどり着きます。
膵臓に定着した歯周病菌は、持続的に毒素を放出して慢性的な炎症を引き起こします。
この慢性炎症が細胞の遺伝子を徐々に傷つけ、がん化を促進する引き金になると考えられています。
口内の衛生状態が、命に関わる内臓のがんと直結しています。
日本人の罹患数が非常に多い大腸がんですが、近年の研究で歯周病菌との深い関連性が次々と証明されています。
大腸がん患者の腫瘍組織を調べたところ、高い確率で“フソバクテリウム・ヌクレアタム”という歯周病菌が検出されました。
この細菌は、通常であれば胃酸によって死滅しますが、プラークの増加や胃の環境変化によって生き残り、腸内まで到達します。
大腸に達した菌は、細胞の表面にある分子と結合して大腸の粘膜に異常な慢性炎症を引き起こします。
さらに、がん細胞の増殖を直接的に手助けしたり、免疫の攻撃からがん細胞を守ったりする最悪の働きをすることが分かっています。
歯周病によって歯を失うほど進行している方ほど、大腸がんのリスクが跳ね上がります。
食道がんは周囲の臓器に転移しやすく、進行が早いため非常に予後が悪い悪性腫瘍の一つです。
東京医科歯科大学などの研究チームの発表では、口腔内の環境悪化および特定の歯周病菌が食道がんの強力な危険因子であることが突き止められました。
プラークの中に特定の歯周病菌が定着している場合、そうでない方と比べて食道がんの発症リスクが6倍、別の悪質菌が重なると約33倍にまで跳ね上がることが確認されています。
毎日の食事や唾液を飲み込む際、口の中に大量に増殖した歯周病菌が食道へと直接、日常的に流れ込みます。
これが食道の粘膜に直接的なダメージを与え、局所的な慢性炎症を長期化させることで、がんの発生環境を作り出してしまいます。
冒頭でも触れた通り、がんは非常に完治が難しい疾患です。
場合によっては身体中に転移し、命を落とすことも十分に考えられます。
またこのがんに関係している疾患が歯周病であり、歯周病を予防することはがんを予防することだと言っても過言ではありません。
そのため、丁寧なブラッシングや歯科クリニックでの歯石取りなどは徹底しましょう。