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歯周病は、さまざまな全身疾患と関連性があることで知られています。
特によく知られているのは、糖尿病や心疾患、認知症などですが、歯周病と関連性のあるものはあまり知られていない疾患もあります。
今回は、こちらの知名度が低い関連疾患にスポットを当てて解説したいと思います。
足の親指の付け根などに激痛が走る痛風は、血液中の尿酸値が高くなることで起こります。
ビールやレバーなどプリン体の摂取が有名ですが、体内の慢性炎症も尿酸値を押し上げる大きな要因です。
重度の歯周病があると、口の中ではミリ単位の細菌が歯茎の細胞を破壊し続けています。
このように体内で細胞の破壊と再生が異常に活性化すると、壊れた細胞の核から大量のプリン体が体内に放出されます。
これが肝臓で代謝されて尿酸へと変わり、結果として尿酸値の上昇を招きます。
実際歯周病が重症な人は尿酸値が高いというデータがあり、痛風を根本から予防・改善するには、口内の炎症を抑えて細胞の過剰な破壊を止める必要があります。
初期症状がほとんどなく、発見されたときには進行していることが多いもっとも予後が悪いがんの一つが膵臓がんです。
最新のがん研究において、特定の歯周病菌が口の中に多く存在する方ほど、膵臓がんの発症リスクが大幅に高まることが判明しました。
これら特定の細菌は、体内でニトロサミンという強力な発がん物質の生成を促す特殊な酵素を持っています。
また、歯周病菌が血液を介して直接膵臓に定着し、現地の細胞に持続的な慢性炎症を引き起こすことで、細胞の遺伝子突然変異を誘発するというメカニズムも指摘されています。
口内の衛生状態を良好に保つことは、このおそろしい膵臓がんを予防するための有力なアプローチです。
こちらは、豊胸手術や乳がん後の乳房再建手術で使用される人工乳房(ブレストインプラント)の周囲に、数年~十数年後に発生することがある非常に特殊な悪性リンパ腫です。
この病気の発症に、の歯周病菌が関わっている可能性が近年の研究で議論されています。
インプラントの表面には、時間の経過とともに細菌の膜であるバイオフィルムが形成されやすい環境があります。
抜歯や歯周病の出血部位から血流に乗った歯周病菌がこのインプラント周辺にたどり着き、バイオフィルムの構成員となって居座ります。
ここで細菌が長期にわたり局所的な免疫刺激と慢性炎症を与え続けることで、周囲の組織ががん化し、特殊なリンパ腫を引き起こす引き金になると考えられています。
歯周病は、広く知られている疾患だけでなく、そこまで知名度がないような疾患とも密接に関わっているケースが多いです。
そのため、少しでも口内の状態に違和感があるのであれば、すぐに歯科クリニックに相談しましょう。
そこまで悪化していない初期の歯周病であれば、口内の清掃やスケーリングなどの処置を受けるだけでも、ある程度症状は改善します。