ブログ
Blog

Blog
矯正治療は、歯を移動させることで患者さんの持つコンプレックスを解消できる治療です。
しかし、場合によっては治療がうまくいかず、思うような歯並びにならなかったり、逆に問題が大きくなってしまったりすることがあります。
今回は、矯正治療の失敗における主な原因について解説します。
見た目のキレイさだけを追求し、上下の歯の緊密な噛み合わせを軽視した治療は必ず失敗します。
矯正は単に歯を一列に並べる作業ではなく、奥歯でしっかりとものを噛み砕き、前歯で適切に顎の動きをガイドする機能を構築する治療です。
審美面ばかりに偏った計画を実行すると、見た目は美しく見えても、特定の歯に過剰な負担がかかったり、上下の歯が面で接触しなくなったりします。
こうした機能的欠陥は、咀嚼障害を引き起こすだけでなく、顎関節に過度なストレスを与えて顎関節症を発症させます。
また正しく噛み合っていない歯並びは生体力学的に非常に不安定なため、治療終了後に猛烈なスピードで後戻りしていきます。
抜歯矯正を行う際、抜いたスペースをどのように閉じるかというシミュレーションが甘いと、治療の長期化や審美性の崩壊を招きます。
通常、抜歯した隙間は前歯を後ろに下げるため、あるいは奥歯を前に出すために利用されますが、この移動バランスのコントロールは非常に繊細です。
歯科医師の計算が狂うと、前歯を十分に下げきる前に奥歯が前方へ移動して隙間が埋まってしまい、出っ歯が改善されないまま治療が終了してしまうことがあります。
逆に隙間が閉じずに不自然な隙間が残ったり、隙間を埋めるために歯を傾けすぎて噛み合わせの軸が斜めになったりすることもあり、事前の確実な固定源の設計が不可欠です。
治療を開始する前に、目指すべき最終ゴールについて患者さんと歯科医師の間で十分な意思疎通が図られていない場合、精神的な意味での失敗が生じます。
患者さんは“完璧に左右対称で白い歯並び”を期待している一方、医師側は“骨格の限界内で噛み合わせが機能する歯並び”をゴールに設定している、というようなギャップです。
この認識のズレを放置したまま治療を進めると、医師側が「治療は成功した」と判断して装置を外しても、患者さん側は「理想と全く違う、失敗された」と感じてしまいます。
事前のカウンセリングで、その症例における限界や、治療で改善できる範囲、できない範囲を明確に共有しておくことが重要です。
矯正治療を受けるのであれば、当然成功させる気持ちを強く持たなければいけません。
また矯正治療を成功させるためには、ある程度患者さん側でも工夫しなければいけないことがあります。
例えば矯正治療に関する知識を持っておくことや、矯正治療の高い技術・実績を持つ歯科クリニックを選ぶことなどは、必須の工夫だと言えます。