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歯石取りは、歯科クリニックで行われる歯周病治療の一つです。
プラークが石化した歯石を除去することにより、口内環境を良好に保ちます。
またこの歯石取りを自宅で行おうとする方がいますが、こちらはNGです。
今回は、セルフで歯石取りを行うことの意外なデメリットを解説します。
口の中は非常に過敏な組織であり、無数の神経が集中しています。
歯科医師は患者さんの表情や呼吸を観察しながら施術しますが、自宅で行う場合、その安全弁がありません。
痛みに耐えながら恐怖心や緊張感で呼吸を止め、強いストレスがかかった状態で作業を続けると、自律神経がパニックを起こす迷走神経反射を引き起こすことがあります。
これにより急激に血圧が低下したり、心拍数が下がったりして、脳への血流が不足し、突然目の前が真っ暗になって失神してしまう事故が起こります。
また鋭利な金属器具を口に加えたまま意識を失って倒れ込んだ場合、器具が喉や眼球を突き刺すなど、命に関わる致命的な二次災害に直面するリスクが潜んでいます。
「口臭を消したい」という目的でセルフ歯石取りを行う人は多いですが、結果は逆効果になりがちです。
自己流のケアでは、歯石を完全に除去できず、表面を中途半端にガリガリと削るだけになりがちです。
これにより、元々は滑らかだった歯石の表面に、目に見えない無数の細かな凹凸や傷が作られます。
このザラザラした表面は、生魚の腐敗臭のような強烈な臭いを発する嫌気性細菌にとって、格好の繁殖基地となります。
さらに、傷ついた歯茎から慢性的にジクジクと漏れ出す血液や膿がその細菌と混ざり合うことで、周囲の人が顔をしかめるような悪臭の口臭へと進化させてしまいます。
人間の脳は、一度「汚れが取れてスッキリした」という快感を経験すると、その行為に依存しやすくなる性質があります。
セルフ歯石取りを一度行うと、少しでも歯の表面に違和感があるだけでと過剰に不安になり、毎日鏡の前で器具を動かさないと気が済まない強迫観念に囚われる人がいます。
実際にはただの歯の模様や、歯茎が下がって露出した歯の根元であるにもかかわらず、それを歯石だと思い込んで削り続けてしまうのです。
結果として健康な歯の構造を自らの手で限界まで削り落とし、神経が露出して激痛が走るまで止められなくなるという、精神的な依存リスクを孕んでいます。
冒頭でも触れた通り、歯石取りはれっきとした歯周病治療です。
そこまで専門的な知識が技術を持たない方が、ブラッシングと同じような感覚で行うべきものではありません。
歯科医師や歯科衛生士による丁寧な施術、徹底したチェックがあってこそ、初めて歯石取りは成立します。
少しでも歯石が気になる方は、迷わず歯科クリニックを受診しましょう。