インプラント治療を受けた後は、これまで噛めなかったものが噛めたり、歯を手に入れたことで会話が楽しくなったりします。
しかしこのようなメリットがある反面、治療後の生活ではいくつか注意しなければいけないことがあります。
今回は、インプラント治療後の意外な注意点について解説します。

身体に人工物が埋め込まれる違和感

インプラント治療で使用される人工歯根は、チタンという素材でつくられています。

こちらは人工関節や心臓ペースメーカーなどにも使用されているもので、極めて生体親和性が高いです。
金属アレルギーなどのリスクもほとんどありませんが、身体に人工物が埋め込まれるというのは事実です。

そのため治療時には抵抗感がなかったとしても、治療から数年経過したとき、自身の顎の骨に人工物があることに不安を感じ始めるというケースが考えられます。
場合によっては、精神的な苦痛を伴うこともあります。

強く噛みすぎる

インプラント治療後は、強く噛みすぎてしまわないように注意が必要です。
こちらは歯根膜という組織が存在しないことが理由です。

インプラントは見た目の構造も天然歯に近いですが、歯根部には天然歯に見られる歯根膜という組織がありません。
歯根膜は、咬合時の圧力を調整したり、緩和したりする役割を持っています。
そのため、インプラントではついつい強く噛みすぎてしまうことがあります。

また強く噛みすぎることにより、インプラントや顎の骨に過剰な力がかかり、人工歯根の破損や顎の骨の炎症につながることも考えられます。
特に治療直後は噛む強さがわからないため、食事なども慎重に摂るようにしましょう。

老後のメンテナンスが大変

インプラントは、老後のメンテナンスが大変になる可能性もあります。

例えば要介護になってしまった場合、なかなか自身の意思だけでは歯科クリニックに通えません。
そのため、いつの間にかインプラント周囲炎が進行するなどのトラブルが発生しやすくなります。

また認知症を発症すると、メンテナンスの重要性を理解できず、日々のケアができないことも考えられます。
さらに、単純にメンテナンスのために歯科クリニックに通うという行動が身体の負担になります。

まとめ

インプラント治療自体は非常に優れた治療ですが、実際治療を受けるのであればメリットもデメリットも詳しく理解しておかなければいけません。
良い面ばかりに注目していると、治療後には思いもよらぬトラブルに悩まされる可能性があります。
もちろん、インプラント治療だけでなく、他の歯を埋める治療も選