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インプラントは、人工歯根の上に上部構造と呼ばれる人工歯を被せることにより、天然歯と同じように使用できるものです。
また人工歯根と上部構造の間には、アバットメントというパーツが存在します。
今回はアバットメントの概要と、アバットメントがなければどうなってしまうのかを解説します。
アバットメントは、人工歯根の上に装着する部品であり、上部構造の土台は人工歯根にアバットメントを装着することでようやく完成します。
主にチタン合金や金合金、ジルコニアなどの素材でできていて、インプラント治療の2回法における2回目の治療で装着します。
2回目の治療は人工歯根と顎の骨が結合したタイミングで行われ、このとき歯茎を切開して人工歯根の上に仮のアバットメントを装着します。
その後、歯茎の状態が落ち着いてきたら、最終的なアバットメントを取り付けます。
アバットメントがなければ、まず人工歯根と上部構造を連結させることができません。
人工歯根と上部構造の間をアバットメントが中継することにより、双方の距離を適切に調整できるようになります。
またアバットメントがないと、インプラントは目立ちやすくなってしまいます。
人工歯根は金属の色をしているため、外から見えてしまうと審美性に問題が生じます。
一方アバットメントがあれば金属の部分を隠すことができ、より美しい口元が完成します。
さらに、アバットメントにはインプラントの強度を上げる働きもあります。
アバットメントのクッション効果がないと、人工歯根に咬合などによるダメージがダイレクトに伝わり、破損のリスクが高まります。
アバットメントでよく起こるトラブルとしては、ネジの緩みが挙げられます。
噛み合わせの力が強かったり、歯ぎしりをしていたりすると、アバットメントと人工歯根を連結しているネジが緩み、上部構造が安定感を失ってしまうことがあります。
このような状況が続くと、最終的にインプラントの寿命を短くしてしまうため、早めの調整や定期メンテナンスが必要です。
インプラントのアバットメントは、上部構造とは違って外から見える部分ではありません。
そのため、単なるパーツの一つと思われがちですが、実際は非常に重要な役割を担っています。
またインプラント治療後、アバットメントのトラブルが発生したときは、すぐに歯科クリニックを訪れましょう。
アバットメントが通常通り機能しなければ、インプラント全体も機能しなくなります。