ブログ
Blog
Blog
虫歯になって歯が痛みだしたときに歯医者に行く、という人は多いでしょう。
しかし、虫歯になって歯が痛いにも関わらず、歯医者に行くことができず、痛み止めを飲んでごまかしている、という人もいます。
忙しいのかもしれませんが、虫歯を放置するのはリスクがあります。
虫歯を放置した場合に起こるリスクについて、解説します。
病気は、新生物や循環器系疾患、呼吸器系疾患などさまざまな分類がされていますが、その中でも食習慣や運動習慣などの生活習慣が原因となる病気を、生活習慣病と呼ぶことがあります。
虫歯については、主に食に関する生活習慣が原因と考えられているため、生活習慣病の一種という考え方がされることもあります。
虫歯が生活習慣病の一つといわれるのは、歯質や唾液の分泌量など遺伝的要素以上に、食生活や生活習慣が影響するケースが多いからです。
ただし、注意しなければならないのは、虫歯の直接的な原因はミュータンス菌などの虫歯の原因菌であるという点です。
原因菌は細菌の一種なので、虫歯は細菌による感染症と位置付けられます。
元々人間の体内にいる細菌ではないため、外部から侵入しなければ虫歯になることはありません。
細菌が糖質を代謝する時、酸を産生して歯に含まれるカルシウムやリンを溶かし、脱灰と呼ばれる状態にします。
酸が増えて口内が酸性になると、歯の表面のエナメル質が溶けだすのです。
脱灰は、通常時でも起こり得るものであり、脱灰の後には再石灰化が起こります。
しかし、脱灰の頻度が高くなると再石灰化が間に合わなくなり、歯の表面が溶けてしまうのです。
虫歯が進行すると、歯の奥にある象牙質やさらに内側の歯髄にも感染します。
歯髄には神経が集まっているため、虫歯に感染すると神経が死んでしまいます。
虫歯菌はさらに進行して歯の先まで到達し、血管を通って全身に広がっていくのです。
虫歯菌が増えた口内では、多くの白血球が死んでしまい、膿となります。
膿は虫歯が重症化したことを示すサインです。
膿が歯茎の奥に溜まると歯茎が腫れて口の動きが悪くなったり、食事がしづらくなったりします。
歯茎が腫れてくると、治療が難しくなります。
腐っているところを除去したうえで、歯根まで治療しなければなりません。
歯茎が腫れている場合には、内部の膿を除去するために、歯肉を切開する可能性もあるでしょう。
また、虫歯が進行し、鼻の周囲にある副鼻腔に細菌が入るケースもあります。
その場合、粘膜に感染して炎症を起こし副鼻腔炎となり、頭痛や咳、鼻水などの症状を起こすことがあります。
治療には長い時間がかかるので、注意しましょう。
さらに、虫歯が重症化すると顎に細菌が感染するケースもあります。
骨髄に感染してしまい顎の骨が腐り、骨髄炎となるケースもあるため注意が必要です。
骨髄炎は、発熱して嘔吐も起こる辛い病気であり、治療には抗生物質の点滴をしなければなりません。
骨髄炎は再発を繰り返して慢性化しやすい病気で、根治させるのはかなり困難です。
症状が風邪に近いため、なかなか気づかないことも多いでしょう。
重症化すると敗血症を引き起こしたり、心筋梗塞や脳梗塞になるケースもまれにあるため、なるべく早く対処する必要があります。
虫歯を放置していると、被害は口内だけにとどまりません。
虫歯が進行して神経が腐敗し、歯根の先に膿が溜まることによって、口内以外の場所へ細菌が感染すると、さまざまな病気を引き起こすことがあります。
虫歯になった時は、他の歯や体の各所に悪影響を及ぼさないように、なるべく早く治療を受けましょう。
虫歯を予防するのなら、定期検診を受けるのがおすすめです。