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虫歯治療には、単純に患部を削って詰め物や被せ物を装着する以外にも、さまざまな種類があります。
また中には特殊な仕組みで治療するものもあり、そのうちの一つがオゾンを使用したヒートオゾン治療です。
今回は、ヒートオゾン治療の概要や仕組み、主なメリットについて解説します。
ヒートオゾン治療は、高い殺菌効果があるオゾンを虫歯部分に照射する治療です。
具体的には、照射によって虫歯の原因菌を殺菌し、フッ素入りの薬剤を塗布して歯の再石灰化を促します。
元々オゾンは地球の成層圏(10~50km)の上層に層を形成し、有害な紫外線を吸収して、地球上の生命体を守るフィルターの役割を果たす物質です。
こちらの殺菌力に注目し、オゾンを医療に使用する試みは20世紀半ばから行われていて、内科や外科だけでなくさまざまな分野で高い効果を上げていました。
そして、近年本格的なオゾンの発生装置がドイツで開発されたことから、ドイツを中心にヨーロッパ諸国の医療現場で臨床に応用されるようになっています。
ヒートオゾン治療では、まずシリコンキャップで対象の歯を覆い、真空ポンプによる完全な真空状態のもとオゾンを照射します。
照射したオゾンも、オゾン回収システムにより治療器内部で酸素に還元し、外部に放出します。
またバキュームポンプによりキャップ内を常に負圧にすることで、オゾンの漏れをシャットアウトし、人体に影響を及ぼす可能性のあるオゾンの酸化力を無害化しています。
ヒートオゾン治療は通常のドリルを使用する方法とは違い、歯を削る必要がないため、歯の健康な部分を保持できます。
また痛みを伴う処置がなく、一般的な治療に比べて治療時間も短いため、歯科治療や歯科クリニックそのものが苦手な方にはピッタリです。
さらにオゾンは細菌を殺菌する効果があるため、一度治療を受ければ虫歯の再発リスクも軽減されます。
ちなみにヒートオゾン治療は、主に初期の虫歯の患者さんに推奨されます。
虫歯が深い場合や、神経にまで到達してしまっている場合、適用は難しくなります。
ヒートオゾン治療は、現代の歯科治療における重要な進歩を示す治療法の一つです。
特に初期段階の虫歯に対しては大きな効果を発揮し、従来の治療法における多くのデメリットも克服しています。
そのため普段から歯科クリニックの定期検診に通い、初期虫歯が見つかった時点でヒートオゾン治療を受ければ、重度の症状につながる可能性は低いです。
もちろん虫歯を予防するために、セルフケアを徹底することは前提です。