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インプラント治療において、人工歯根の上に被せる人工歯は上部構造と呼ばれます。
こちらはいわゆる歯の部分であり、問題なく使用していれば簡単に破損することはありません。
しかし、場合によっては上部構造が壊れ、インプラントの継続が困難になることがあります。
今回は、上部構造が破損する原因について解説します。
上部構造が破損する一番の原因は、患者さんの噛む力が強いことです。
具体的には、単純に咬合力が強いケース、歯ぎしりや食いしばりがあるケースが該当します。
咬合力は、噛み合わせのとき歯にかかる力のことをいいます。
上部構造は天然歯と同じく咬合力に耐えられるようにつくられていますが、硬いものを頻繁に噛むなどしたときは、耐えられずに破損することがあります。
また就寝中、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている方も、上部構造に少しずつ圧がかかり、破損やひび割れを引き起こすことが考えられます。
インプラントの装着からしばらく経ったタイミングで、ある日急に上部構造に破損が見られたという場合は、経年劣化の可能性が高いです。
上部構造は使用する素材にもよりますが、一般的には装着してから10年程度が寿命と言われています。
そのため、セラミックやジルコニアなど強度の高いものを選んだとしても、ある程度時間が経てば破損のリスクは高まります。
また経年劣化の場合、患者さん自身の問題ではないため、上部構造の交換や修理をしなければ、以前のような使用感を取り戻すことはできません。
インプラントを装着している方が交通事故に遭ったり、スポーツによって衝撃を受けたりした場合でも、上部構造は壊れることがあります。
特に口元に直接衝撃が加わった場合、それがインプラント全体に伝わり、上部構造が破損するリスクが高まります。
また交通事故に関しては完全に防ぐのが難しいですが、スポーツ中の衝撃についてはマウスピースを装着するなどして対応できます。
特にラグビーやアメリカンフットボールなど、身体の接触が多いコンタクトスポーツでは、マウスピースの装着が必須です。
冒頭でも触れた通り、インプラントの上部構造は簡単に割れてしまうことがありません。
そのため、通常の噛み合わせを持っていたり、メンテナンスを怠っていなかったりすれば、破損や欠損の心配はかなり少ないです。
それでも上部構造は永遠に使用できるわけではありませんし、防ぎようのない外傷もありますので、必ずしも破損しないわけではないということは理解しておきましょう。