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親知らずの状態が悪い場合や、治療が困難な虫歯がある場合などは、抜歯が選択されることがあります。
しかし抜歯にはさまざまなリスクがあるため、歯科医師からおすすめされることは基本的にはなく、あくまで最終手段として用いられるケースが一般的です。
今回は、抜歯をすることの主なリスクについて解説します。
抜歯のリスクとしては、まず急激な血圧の上昇が挙げられます。
抜歯を行うことに対し、強い恐怖心や抵抗感を持っている方は少なくありません。
このような患者さんは、緊張から急激に血圧が上昇することが考えられます。
また抜歯を行う歯の根が曲がっている場合、スムーズに抜くことができず、治療の時間が長くなります。
もちろん、治療が長引けば患者さんのストレスは強くなり、血圧が上昇して出血のリスクが高くなります。
歯科クリニックで行われる抜歯では、必ず麻酔が使用されますが、稀に麻酔によってショック症状が出ることがあります。
こちらはアドレナリンという麻酔薬に添加される成分が原因です。
アドレナリンは、麻酔薬が治療箇所に長くとどまるようにする効果があり、出血も抑えてくれます。
しかし、精神的な恐怖が強い患者さんは、アドレナリンの投与によってショック症状が出ることが考えられます。
ショック症状は、臓器への血液不足によって生じる急性症状群であり、吐き気や血圧低下のほか、ひどい場合は意識の喪失を伴うこともあります。
抜歯を行った後のリスクとしては、歯並びや噛み合わせの悪化が挙げられます。
抜歯によって生まれたスペースに対し、隣接する歯が少しずつ移動すると、歯並びが悪くなってしまうことがあります。
また歯を抜くことにより、上下の噛み合わせがずれることも考えられます。
噛み合わせのバランスが崩れると、顎関節症や筋肉の緊張、頭痛といった症状につながる可能性があります。
特に、奥歯を抜歯した場合は咀嚼力が大幅に低下し、咬合機能に与える悪影響は大きくなります。
ちなみに抜歯によって歯並びや噛み合わせが悪化すると、残っている天然歯にかかるダメージも大きくなります。
虫歯になっている箇所や親知らずについては、できる限り歯を残す方向で治療計画が立てられます。
しかし、どうしても歯を残すのが難しいという場合は、抜歯をしなければいけません。
また抜歯のリスクについては、事前に歯科医師の説明を聞いておき、納得した上で施術を受けましょう。
もし抜歯を避けたいというのであれば、セカンドオピニオンを受けるのも一つの手です。