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一般的な歯周病治療としては、スケーリングやルートプレーニング、適切なプラークコントロールなどが挙げられます。
また、症状がかなり進行している場合は、フラップ手術という外科手術が採用されることもあります。
今回は、フラップ手術の概要やメリット・デメリットについて解説します。
フラップ手術は、歯茎を切開し、歯周ポケットの奥にある歯石やプラークを除去する手術です。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、スケーリングでは十分に汚れや歯石を取り除くのが難しくなります。
このような状態を放置していると、歯茎の炎症はなかなか治まらないため、フラップ手術で対応する必要があります。
またフラップ手術は、口内の清掃状態や全身の健康状態が良く、なおかつ喫煙をしていない方に適用されます。
フラップ手術は直視下で行える手術のため、歯石や細菌の取り残しが出にくいです。
汚れを隅々まで除去でき、なおかつ再度歯茎の中に歯石が溜まることを防止します。
また、歯周ポケットが改善されるため、悪化した口内環境はリセットされます。
こちらは、患者さん自身で行うプラークコントロールの効率アップにつながります。
つまり、ブラッシングの磨き残しが少なくなるということです。
ちなみに、フラップ手術は歯周病の症状全般を改善してくれる手術です。
そのため、歯茎が腫れにくくなることの他、口臭が軽減されることも期待できます。
フラップ手術のデメリットとしては、まず身体への負担がかかることが挙げられます。
フラップ手術は、歯茎の切開を伴う外科治療です。
そのため、切開したキズが完治するまでには数週間程度かかり、それまでは腫れや痛みが出ることがあります。
また、フラップ手術を行った後は、歯茎が下がってしまう可能性があります。
歯茎が下がると、相対的に歯が長く見えたり、知覚過敏の症状が出てしまったりするおそれもあります。
ちなみにフラップ手術後は歯周組織が完全に元通りになることが理想ですが、実際には歯槽骨やセメント質、歯根膜が再生されることはほとんどありません。
フラップ手術は、ある程度進行した歯周病を食い止めるために有効な手術です。
スケーリングやルートプレーニングといった歯周基本治療では改善しなかった症状も、フラップ手術であれば改善の余地があります。
ただし、こちらは外科治療を受けても問題ない健康状態の方しか受けられません。
さらに、治療の痛みやリスクも存在するため、治療前にはしっかりと歯科医師の説明を聞いておきましょう。