ブログ
Blog
Blog
小児歯科治療では、大人の歯科治療と同じように麻酔が使用されるケースがあります。
またこのとき使用される麻酔には、表面麻酔や局所麻酔などがありますが、オプションとして笑気麻酔が行われることもあります。
今回は、小児歯科治療で使用される笑気麻酔について解説します。
笑気麻酔は正確には笑気吸入鎮静法といい、その名の通り笑気というガスを吸入し、不安や恐怖心を軽減させ、気持ちを落ち着かせるというものです。
笑気は亜酸素窒素の別名で、こちらのガスを吸った患者さんが笑ったような表情になることから、笑気と呼ばれるようになりました。
小児歯科治療で用いられる笑気麻酔では、30%以下の低濃度笑気を、70~80%の高濃度酸素と混ぜて使用します。
子どもは痛みに敏感であり、歯科治療に対するトラウマを抱えているケースも多いため、スムーズに治療を進めるためにも笑気麻酔は有効です。
笑気麻酔は笑気というガスを吸入する麻酔法ですが、ここだけ聞くと不安に感じる親御さんもいるかと思います。
しかし、実際は十分に安全性が確保されています。
先ほども触れたように、小児歯科治療の笑気麻酔で用いられる笑気は低濃度であり、そもそも毒性は一切ありません。
一般的に体内に入った薬剤の多くは肝臓で分解されるため、分解する工程が負担になることもありますが、笑気麻酔は速やかに体外に排出されます。
また、笑気麻酔には副作用が存在しません。
そのため治療後子どもの身体に異変が出ることはありませんし、一般的な麻酔のように注射針も使用しないため、出血の心配も皆無です。
ちなみに笑気麻酔は全身麻酔とは違い、意識を失ったり眠ったりすることはありません。
小児歯科治療で笑気麻酔が施される際、まず治療台に横になり、専用の鼻マスクをかけます。
鼻から酸素を規則正しく吸い込み、そこから笑気の濃度を少しずつ挙げながら、適切な鎮痛状態にします。
虫歯治療などの歯科治療は、笑気を吸入したまま行います。
その後、鎮静が深くなりすぎないようにコントロールしながら、少しずつ歯科治療を進めていきます。
小児歯科治療で用いられる笑気麻酔は、特に歯科治療が苦手な子どもに有効な麻酔法です。
ガスを吸入する方法ではありますが、ガス自体に毒性や副作用はなく、安全性は保証されています。
ただし笑気麻酔を採用する際は、通常の歯科治療とは別途費用がかかります。
虫歯治療などの保険診療であれば、笑気麻酔も保険が適用されますが、ある程度費用の負担が大きくなる点には注意が必要です。