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小児歯科では、虫歯治療などの一般的な歯科治療の他、子どもの歯を健康に保つメンテナンスやブラッシング指導などが行われます。
また、他のも子どもの口内の治療を行うことがあり、その治療の一つに上唇小帯の治療が挙げられます。
今回は、上唇小帯の概要や治療法を中心に解説します。
子どもの上唇小帯とは、前歯の中央にあるスジのことをいいます。
中央を上の方にめくると、粘膜から歯茎にかけてピンと張った上唇小帯があり、こちらは幼い子どもの場合はとても太く長いです。
また上唇小帯は、子どもが成長するにつれて少しずつ付着部が歯茎の上に移動します。
そのまま小さくなり、いずれはほとんど視認できないようになります。
上唇小帯は、前述の通り子供が成長するにつれて見えなくなっていきますが、場合によっては見えたままになっていたり、長さが目立ったりすることもあります。
またこのような異常が出ると、すきっ歯につながるリスクが高まります。
上の前歯の永久歯が生えたてのときは、まだ左右が生えていなかったり、奥歯が押してこなかったりすることから、子どもはすきっ歯になります。
その後、徐々に永久歯が生え揃ってくると、前歯の隙間は埋まります。
しかし上唇小帯がしっかり残っていて、上の前歯の真ん中にまで伸びていると、歯が中央に寄ろうとしているのを邪魔してしまいます。
その結果、中学生くらいまで成長しても、すきっ歯に悩まされることがあります。
さらに上唇小帯は、歯ブラシが触れると痛みが出るため、ブラッシングの精度も低下させてしまいます。
子どもの上唇小帯に異常が見られる場合、前歯の永久歯が出てくる7歳前後に切除します。
具体的には、まず表面麻酔を行い、上唇小帯を引っ張って固定した状態で切除します。
その後、後戻りを防ぐためにしっかり縫合し、1週間程度で抜糸します。
3ヶ月後くらいに、後戻りがないことを確認して完了です。
ちなみに、子どもの歯並びを気にしないのであれば、上唇小帯を切除しないという選択肢もあります。
ただし良いタイミングで切除した方が舌や歯並びにとっては良いですし、治りも早くなります。
上唇小帯は、基本的には時間が経過するにつれて目立たなくなるため、最初は様子を見るだけで大丈夫です。
一方、子どもが成長しても明らかに縮小が見られない場合は、切除するかどうかにかかわらず、一度歯科クリニックに相談することをおすすめします。
もちろん、その段階で上唇小帯が口内環境の異常を引き起こしている場合、切除するのが無難です。