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子どもの歯には、形態異常と呼ばれる問題が生じることがあります。
こちらは、歯そのものの形が通常とは異なることをいい、さまざまな種類がありますが、いずれも小児歯科の観点から、決して良いものとは言えません。
今回は、そんな形態異常の一つである“矮小歯”のデメリットや治療法などについて解説します。
矮小歯(わいしょうし)とは、歯自体のサイズが通常と比べて小さいという形態異常のことをいいます。
歯の状態によっては、円錐歯や栓状歯と呼ばれることもあります。
多くのケースでは、上の前から2番目の歯である上顎側切歯に生じるもので、歯が小さいことによって、口内でさまざまな問題を引き起こします。
ちなみに、矮小歯の原因は、ビタミンDの不足、歯の退化減少などとも言われていますが、ハッキリとした原因はまだわかっていません。
歯の噛み合わせは、左右対称で上下の歯がしっかりと噛み合うことが理想ですが、歯列の中に一つだけ矮小歯が混じっていると、噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。
噛み合わせのバランスが崩れると、片方の歯ばかりで噛んでしまう癖がつき、顎関節症を発症したり、左右の筋肉のバランスが非対称になり、顔や表情が歪んだりするおそれもあります。
また、矮小歯が存在することにより、各歯それぞれのスペースがありすぎてすきっ歯になることも考えられます。
ちなみに、矮小歯はサイズが小さいだけでなく、歯根も短いため、通常の歯に比べて耐久性や寿命も劣ります。
そのため、ブリッジなど、耐久性が求められるような治療は適用できない可能性があります。
子どもの矮小歯における主な治療法としては、セラミックやレジンなどを使った修復治療の他、すきっ歯の場合には歯列矯正が有効です。
また、これら2つを組み合わせた治療法などもあるため、機能面に不具合を感じるようであれば、歯科クリニックに相談してみましょう。
ただし、すきっ歯かどうかを判断するには、永久歯の犬歯が生えてくるまで待つ方が良いとされています。
犬歯が生えるまでの子どもの歯は、むしろすきっ歯なのが正常であるため、受診するのであれば、犬歯が生える10~12歳頃でも遅くはありません。
ここまで、子どもの歯の形態異常の一つ、矮小歯について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
矮小歯は、基本的に治療の重要性は低いですが、噛み合わせや歯並びに問題が出てくるようであれば話は別です。
そのため、治療するかどうかは別として、まずは矮小歯が見つかった段階で、一度歯科クリニックに相談することをおすすめします。