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インプラントは、天然歯を失った部分をカバーするため、人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を被せるというものです。
一度固定されれば、天然歯と同じように使用することができますが、インプラントと天然歯には、一体どのような違いがあるのでしょうか?
今回はこちらの内容について解説したいと思います。
天然歯には、骨と歯根の間に厚さ0.2mmほどの歯根膜という組織があります。
こちらがあることにより、歯と骨がつながり、クッションのように食べ物を噛むときの衝撃を吸収してくれます。
また、硬い食べ物は力を入れて、やわらかい食べ物は軽い力でという風に、食べ物によって噛む力が無意識にコントロールさせるのも、歯根膜の働きによって感じることができます。
一方、インプラントは、人工歯根を埋め込むという形で、直接骨に固定するため、歯根膜が存在しません。
そのため、噛む力がダイレクトに骨に伝わり、食事の際の負担は大きく、感覚は鈍くなります。
天然歯の場合、骨、歯茎、歯根膜という3つの方向からの血液供給があります。
このように血液の供給量が多いと、感染に対する抵抗力が強くなりますが、インプラントは前述の通り歯根膜がないため、血液供給に乏しく、感染への防御反応も弱くなります。
つまり、細菌感染が起こりやすくなるということです。
また、天然歯は、セメント質と呼ばれる組織が歯茎と結合しているため、細菌が簡単に侵入できないようになっていますが、歯根膜がないインプラントはこのような効果も発揮できず、こちらも細菌感染のリスクが高い理由の一つです。
天然歯と歯茎は、歯肉線維というものでつながっています。
また、天然歯の歯肉線維は、歯茎の中の結合組織がセメント質に入り込んでいて、向きとしては垂直に走っています。
一方、インプラントはこちらの歯肉線維が水平に走っている状態です。
つまり、あくまでインプラントの入口部分で密着しているだけの状態だということです。
このことから、インプラントと歯茎は剥がれやすく、一度炎症を起こすと、比較的早いスピードで進行します。
ここまで、インプラントと天然歯は何が違うのかについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
インプラントは、天然歯の代わりとして十分に機能するものですが、やはり人工物であるため、クッション性や細菌感染への防御反応など、天然歯に劣っている部分は数多くあります。
そのため、日頃からデンタルケアを徹底し、できる限り自身の天然歯を残そうとすることが大切です。